2011/04/09

Geoparkの地図

ジオパークにおける地図についてはジレンマがあった。
やはりジオストーリーが大事だと思いつつ、ストーリーとジオサイトとを1枚の地図上に同時表記しようとすると、どうも地図が煩雑な印象になってしまう。そもそも、ストーリーは3次元ないし4次元なものであって、静的なジオサイトの位置情報に対して動的な情報であるので、地図コミュニケ―ションを考えると、専門知識レベルを下げたり、あるいは別に記述したとしても、読図スキルが必要な地図になってしまう。
どうしたらいいのか。
というこうした悩みは独りよがりであって、地図を手に取る人のことを考えていなかったのだった。

ジオパークにくる人の関心および知識に関していくらかレベル分けができる。そのレベル分けに応じた地図を提供するという極々自然な視点が欠けていた。
もっといえば、必要なのは、ファーストステップでの地図をもとにジオパークを歩いたら面白いと思い、関心が高まった状態でセカンドステップの地図に手に取ってもらうこと、つまりそういった機会提供、タイミングが仕組みとして大事だと思った。
セカンドステップの地図はスケールや判例がファーストとは異なり、ジオストーリー重視の地図を指す。どうだろう、自分たちが歩いた場所、見た景色を、もう一度地図上で体験することでの感動もあるのではないだろうか。
ここでの悩みは、そもそもこの手法だと時間がかかって、日本的物見遊山の時間尺度ではない気がする。また、ジオストーリーを説明した上で、ジオサイトめぐりをしてもらうというのとどちらがよいのかわからない点も気にかかる。


以下メモ
ジオツーリズムマップ…
・一般の非専門家のコミュニケーションに用いられるもので、地球科学的情報と観光情報を画像化したもの
・専門的な見識を、シンプルにしただけ
・観光情報も少し加わる
・一般市民にはわかりにくい

55のジオツーリズムマップのカテゴライズ(Bissig,2008)
1:インデックスマップ… 位置と情報が少し掲載される
2:ツーリストマップ… 観光情報多い
3、4:地球科学のアマチュアのための地球科学地図(表現方法によって2つに分類)
5:インタープリティブマップ… 科学情報と観光情報のバランス、特性を明らかにすることで景観をインタープリットする

インタープリティブマップ
・ジオの空間的関連性の理解促進 
例)地形の形態と発達
・観光マップではない

一般の人にジオを理解する機会を与える地図
・観光情報は二次的にすぎない
・専門家からの地図作成の段階と、ユーザーからの理解の段階

「単なる事実を伝えることよりも、オリジナルな現象を体験し、メディアを通して理解するという教育的活動を通して
ジオとの関係を作ることが大切」
・ジオツーリズムマップ… 場所を示す 不十分
・インタープリティブマップ… 分布や関連性を示し、より高い、景観の理解を促す

留意点
・関係があることだけ地図に示す
・ユーザーの専門知識レベルと読図スキルへの配慮

ガイドライン
概要 ユーザー、目的、テーマ
詳細 レベル、スケール、ディメンジョン、デザイン、形態とサイズ、コスト
私見:ジオパークには三つの地図が必要か?
・ジオツーリズムマップ
・インタープリティブマップ
・地球科学アマチュア用地図
それぞれ対象が異なり、レベルも読図スキルも違った想定がされるため


事例紹介
Derborence湖がどのようにできたか に焦点を合わせて作図
地図だけを見てわかるようにする
ジオ学者だけでなく他の分野の方々とも協力して作図する

デじ地図 観光客が写真を撮ったものを、自分で処理してまとめて、お土産にする